契約書に使用するフォントは何が良い?

以前、とある販促セミナーに出席したときのこと。
チラシの作り方についての解説にて、使用するフォントによって、相手の受ける印象の違いについての説明がありました。

概ね、以下の通りとのこと。

【明朝系】
  • 品のよさをアピール
  • 小さな表記だと読みにくい
  • 柔和さ
  • 感覚的
【ゴシック系】
  • インパクト重視
  • 小さな表記でも読みやすい
  • 力強い
  • 論理的
  • 圧迫感

これって契約書でも同じような傾向があるのでは?と感じました。試しに見比べてみてください。

同じ条文なのに、受ける印象、違いませんか?

「契約書は明朝体なんじゃないの?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、数えきれないくらいの契約書を目にしてきた経験談からすると「そうでもない」というのが実感です。

少なくとも、上記のフォントが使われている契約書はすべて目にしたことがあります。

余談ですが、ポップ体の契約書を初めて目にしたときには、拍子抜けするとともに、
「まあこんなフォントを使っているくらいだから契約条件もたいしたことは書かれていないだろう」
と高を括ったのが大間違い。
実際に精査してみると、とんでもない不利な条件が設定されていることに逆に拍子抜けした記憶が鮮明に残っています。

それ以来、契約書をチェックする際には、フォントで変な先入観を持たないように、ワープロソフトの一括変換機能を使って、一度すべて明朝体に変換してから読み込むようにしていました。

念のため申し添えれば「このフォントを使えば法的効果が高まる」などは特にありません。
どのフォントを使っても法的効力は同じです。

ただし、上述の通り、契約書に使うフォントによって相手の受ける印象は結構違います

契約書がお客様などの社外の方に触れるものであることに鑑みると、ホームーページや会社案内パンフレットと同列に考え、ブランドイメージ統一の一環として使用するフォントを決めていくというのも一案です。
実際、大手企業では、契約書を含めたすべての対外文書で統一的なフォントが使用されているケースも見かけます。
使用されているフォントによって相手の受ける印象が良くなり、スムーズに商談成立に至ることもあるように思います。

もちろん、こちらのコラムでも何度か申し上げているとおり、契約書は「中身」が一番重要です。
しかし、相手あっての商談、相手あっての取引ですので、「外見」も少しだけ配慮されると、契約書が活きてくるシーンがもっとあるようにも思われます。

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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