ChatGPTがもたらすサイバーセキュリティの脅威

ChatGPTの衝撃が世界を駆け巡りましたが、「まだ自分には関係ない」という認識の起業家や経営者は多いのではないでしょうか?
今回はChatGPTの登場で起こりえるサイバーセキュリティリスクに関して解説したいと思います。

ChatGPTとは

ChatGPTは2022年11月に公開されたチャット形式で会話できる人工知能です。

ChatGPTの凄さは何といっても、人が書いたものと見分けがつかないぐらい自然な文章を返すことです。
ひらがな、カタカナ、漢字が入り混じった日本語にも対応しています。

百聞は一見に如かず。
実際にChatGPTに質問してみました。

【質問】
ChatGPTの凄さを70代の経営者にも分かるように説明してください。

【ChatGPTの回答】
70代の経営者の方にも分かりやすく説明すると、ChatGPTは人工知能技術の一種であり、大量のデータを学習することで、人間のような自然な言葉で対話をすることができるツールです。つまり、ChatGPTを使えば、人間と話しているような感覚で、自然な会話を行うことができます。

この技術が凄い点は、ChatGPTが様々な言語に対応しており、世界中の人々とコミュニケーションをとることができることです。また、ChatGPTは大量のデータを学習することで、専門的な知識やスキルが必要な分野でも、ある程度のレベルでの会話をすることができます。

具体的な例を挙げると、例えば、ChatGPTを使って、顧客とのカスタマーサポートを行うことができます。顧客からの問い合わせに対して、ChatGPTが自然な言葉で回答をすることで、迅速かつ正確なサポートを提供することができます。また、ChatGPTを使って、企業内でのコミュニケーションや情報共有を行うこともできます。

このように、ChatGPTは非常に優れたコミュニケーションツールであり、企業にとっても非常に有用なツールであると言えます。

質問の意図を理解し具体例まであげています。
人が答えるより圧倒的に早く、簡潔で分かりやすい文章となっています。

日本語に守られていた日本のこれから

今までのスパムメールやフィッシングサイトは明らかに変な日本語英語を直訳したような文章となっていて、すぐに見分けがつくものが多かったと思います。
またSNSでも英語の文章でリンクが貼ってあるメッセージが来ても、誰もクリックしないでしょう。

世界最高クラスの難易度を誇る日本語はインターネットの時代でも我々を守ってくれていました。
ですが、ChatGPTの登場で日本語という大きな防護壁が破られました
インターネットを通じて、世界中から一段上のサイバー攻撃が押し寄せてくる可能性があります。

例えば、取引先を装った偽装メールを自然な文章で生成でき、請求書でさえも一見して見分けがつかないほど精度の高いものが送られてくる可能性があります。
また、SNSアカウントが乗っ取られた場合、今までのメッセージ履歴を学習し、本人と同じ口調で情報を引き出そうとメッセージを送ってくる可能性があります。

日本語が分からなくても、人工知能が間に入ることでそれが可能な時代になってきました。
日本の経営者は、この危機感を持っていただければと思います。

リスクにフォーカスするのではなく活用を。

ChatGPTの登場であらゆる分野で自動化や作業効率化が進むと思われます。
同時にサイバー攻撃も加速度的に進化し、現在では予想もできないような手法で攻撃される可能性があります。

特に強調しておきたいのが昨日まで主流だったセキュリティ対策が、ある日突然使えなくなる事が起こってくると思います。

新しい技術が登場したときは必ず悪用する人が出てきます。
リスクだけにフォーカスして怖がるのではなく、生み出した技術者の努力に敬意を表し、自分のビジネスに活用する方向で考えてほしいと思います。

余談ですが、最近映画が公開された「Winny事件」で一人の天才技術者が日本の出る杭を打つ文化に潰された出来事は、日本からイノベーションを生み出すマインドを奪っていると思っています。

サイバーセキュリティの最新情報はIPAで確認しましょう。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

こういったサイトを活用し、正しくリスクを把握しながら新しい技術の可能性を楽しんでほしいと思います。

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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