パートナーシップと契約書

1.はじめに

2020年から続くコロナ禍が契機となり、業界や業種の垣根を越えての企業同士の連携に関する動きが活発化してきています。
政府もこの流れを後押しするため様々な施策を講じています。
その一つとして「パートナーシップ構築宣言」があります。

「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

これは、各企業が、

  1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携
  2. 親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行の遵守

の取り組みへの宣言をすると、政府が運営する上記のポータルサイトに企業名が掲載され、「パートナーシップに関する取り組みを積極的に行ってますよ」と世の中に周知できる仕組みのようです。

パートナーシップ構築宣言をした企業には、指定のロゴマークをホームページ等に使用することができるほか、補助金の優先採択も検討されているようです。

こちらは、中小ベンチャー企業(あるいは個人事業主)も宣言できるようです。
比較的簡易的な手続で済むようです。
詳しくは、上記のサイトをご参照ください。

 

2.パートナーシップを持続させるためには

せっかくパートナー(提携先や連携先)を見つけたのに、パートナーシップ(対等で友好的な協力関係)が継続しないのでは、元も子もありません。
パートナーシップを持続させるためには、お互いにWin-Winな取引条件(契約条件)に落とし込んでいくことが重要です。

その際のポイントについて考えてみましょう。

 

3.Win-Winな取引条件(契約条件)の検討ポイント

(1)パートナーシップの範囲

範囲について明確にしておくことがまず重要です。
ここが曖昧になっていると、トラブルの元です。相手と自社がそれぞれすべきことについて、権利と義務の両面から検討して、契約書に落とし込んでいってください。

 

(2)代金・支払条件

パートナーシップは、特殊なケースを除いて商取引そのものです。
通常の取引先と同様、代金や支払条件について、しっかりと取り決めておくことが重要です。

 

(3)契約解除

パートナーシップの場合、自社・相手ともに独立した事業者です。
パートナーシップに「ストレス」が発生した場合には、契約書に基づきドライに契約解除できるようにしておくのも、逆説的ではありますが、パートナーシップを持続させるポイントです。

その際、

  • 契約解除の発動条件(例えば、一定の売上基準を下回った場合など)
  • それぞれの「持ち出し」部分についてどう処理するか
  • パートナーシップの期間中に発生したノウハウや著作物等に関する権利はどうするか

については、特に、パートナーシップをはじめる前にきちんと相手と話し合い、契約書に落とし込んでおくことが重要です。

ここからは私の経験則上の話とはなりますが、このあたりについて、きちんと話し合い、契約書に落とし込むことができたパートナーシップは持続しますが、契約解除の議論から逃げているようなケースは続かないことが多いです。
パートナーシップはあくまで商取引。最初のノリと勢いだけでは持続しないということでしょう。

 

4.さいごに

以上、パートナーシップと契約書について解説しました。

パートナーシップに関する契約書は、特殊な条件を盛り込まなければならないこともままあります。
上記「の契約の解除」については、きちんと書かれていないと、実際に解除しようと思った時に、相手との間で「できるorできない」でトラブルになってしまうこともありますので、場合によっては専門家に契約書の作成を依頼するなど、慎重な対応が必要です。

自社に足りない部分を相手に補っていただくためのパートナーシップ。
契約書の条件もですが、何よりも、通常の取引先以上に、相手には敬意をもって接することが大切です。

 

5.他社と提携するときの賢い契約書の使い方

併せて、こちらのコラムもご参照いただければ幸いです。
他社と提携するときの賢い契約書の使い方 | さいたま起業家協議会

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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