延長覚書の作り方※Word形式テンプレート付き

1.はじめに

取引基本契約、業務委託基本契約などの基本契約、あるいは、代理店契約、販売店契約、フランチャイズ契約などは、9月30日の半期末、12月31日の年末、3月31日の年度末をもって契約期間満了となるケースが多いです。

上記のような契約は、会社の事業や業績に大きな影響を与えることが多いので、うっかりと契約期間満了となってしまった(契約が失効してしまった)ということがないよう、期間の管理をしっかりと行いたいものです。

 

2.延長の「手続」をお忘れなく

上記のような契約においては、以下のような定めがあることが多いです。

本契約の有効期間は2020年1月1日から2022年12月31日までの3年間とする。なお、本契約を延長する場合は、相手方に対して有効期間満了の2ヶ月前までに書面により通知し、協議を申し入れるものとする。

この例では、2022年10月31日までに、書面(契約書において特段の定めのないときは任意の書面でOK)で、「契約の延長を希望します」と相手方に通知する必要があります。

この手続が漏れてしまうと、同一条件での契約延長ができなくなってしまう(場合によっては一から契約を巻き直すこととなり、不利な条件を飲まされることに繋がってしまう)こともありますので、十分な注意が必要です。

 

3.延長覚書について

契約期間の延長をする場合、契約書の取り交わしの方法としては、2パターンが考えられます。

  • ①同一条件の契約書をもう一度取り交わす
  • 延長覚書(有効期間の延長の部分だけを切り出した覚書)を取り交わす

どちらの方法をとるかについては、相手方と話し合って決めることとなります。
一般的には②の方法をとることが多いです。
以下より、延長覚書の雛形がダウンロードできますので、ご参照ください。

 

4.自動更新

うっかりと契約期間満了となってしまったというリスクを避けるため、以下のような自動更新の定めをおいておくことも考えられます。

本契約の有効期間は2020年1月1日から2022年12月31日までの3年間とする。なお、ただし、期間満了3ヶ月前までに、甲または乙が、相手方に対して書面で更新しない旨を通知しなかったときは、従前と同一内容で契約を更新したものとし、以後も同様とする。

ただ、自動更新も万能ではありません

こちらの例では、例年9月30日までに「更新しない旨の通知」をしないと半永久的に契約が続いてしまうこととなります。
当然、負わなくてもよい義務を負わされるリスクもありますので、不要な契約については、都度、失効させておくことも重要です。

 

5.あわせて確認したい変更契約書

今回のコラムでは、延長覚書を取り上げましたが、これは変更契約書の仲間ともいえますので、以下のコラムもあわせてご参照いただくと、理解が深まるかと思います。

変更契約書の作り方※Word形式テンプレート付き

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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