2020/04/22 投稿

資金繰りに困ったときに見直すべき契約条件 ※Word形式覚書テンプレート付き

行政書士大森法務事務所 代表 大森靖之

起業家が資金繰りに困った際には、手元の現金を増やすために、融資や出資をまず検討することが考えられますが、融資を受ければいずれは返済しなければなりませんし、出資を受けると資本バランスが崩れ、会社を自由に経営できなくなるリスクが生じます。
上述の他に、出て行く現金を減らすという打ち手も考えられます。
本稿では、これらの打ち手について、契約条件の視点から考えてみたいと思います。

 

大家さんとの賃料・共益費の減額交渉

真っ先に思いつくのが、オフィスが賃貸物件の場合は、大家さんとの間で取り交わしている賃貸借契約書に記載されている賃料や共益費の減額を大家さんに依頼することです。

大家さん側としても、仮に起業家が廃業してしまうと、次の借主を見つけるまでは賃料が入ってこないことになってしまいますので、「一時的であれば」協力していただけることもあり得ます。

大家さんに賃料・共益費の減額の要請をする際には、起業家側において事前に現況の正確な把握と将来の展望を数字で把握し大家さんに示すことが重要です。
要するに現実的な事業計画の策定です。
大家さん側としてもあくまでビジネスですから、感情論だけは動いてくれません。

大家さんとは長期的なお付き合いが必要ですので、常日頃からコミュニケーションをとっておくことが、困ったときに助けていただきやすくなりますし、困ったときには誠意をもって依頼することが何よりも重要かと思われます。

※新型コロナウイルス感染症関連のトピックとしては、国土交通省から各不動産関連団体の長宛に以下のURLの通りの依頼書が提出されております。
大家さんとの交渉の際には、事業計画とあわせてこちらの書面も提示すると、大家さんのご理解も得られやすくなるのではと考えられます。

【国土交通省HPより】
新型コロナウイルス感染症に係る対応について(依頼)
https://www.mlit.go.jp/common/001340555.pdf

 

取引先との代金・報酬の減額交渉

取引先に支払う代金(単価)や報酬についても、上記賃料等と同様の交渉が可能かと思われます(特に長期・継続的な取引のケースでは)。
現実的な経営計画の策定など、取引先への依頼の際に注意すべきポイントについても同様です。

 

取引先との支払の延期交渉

代金・報酬の減額とも関連しますが、取引先への支払の延期を求めるのも一案です。
ただ、信用に傷がついてしまう可能性がありますので(次回から取引ができなくなる、あるいは次回より現金取引を求められる、など)、慎重な検討が必要です。

 

大家さんや取引先のご理解がいただけ交渉が成立した場合であっても、後で「言った言わない」とならないよう、合意内容をきちんと書面に残しておくべきと考えられます。
その際のご参考となるような書式テンプレート(参考例)を作成いたしました。
あくまで一例ですので、個別の事案にあわせカスタイズのうえご活用ください。

下記リンクをクリックしてダウンロード。
【Word形式】条件変更覚書(参考例)Ver.20200421

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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