税理士会の研修を聞いてきた話

税理士会の月例会に行ってきました。例会研修は税理士業務の無償独占について。
こんな事例を挙げての説明がありました。
○無償独占の規定に違反して、なんと正規の税理士が逮捕拘留・実名報道されました。
○税理士が、ほかの人の作った申告書に、署名したからです。

この例は「名義貸し」、といって違法です。
今回のコラムでは、税理士法に決められた「無償独占」の決まりについて書きます。
(テーマは例会と被っていますが、以下の文章は私のオリジナルです。)

この決まりは、強権的で広範なモノなんです。
○税理士の資格のない人が、他人の税務申告書を書くと、逮捕されますよ。
という意味ですから。
その人の書いた申告書が、適法でも、正しい納税を促すものであっても、関係ない。
無資格者による税務書類の作成は違法です。

申告書を書かなくても、逮捕される場合があります。
○申告書にこう書くと、税金安くなるよ。
と教えてあげるだけで、違法なんです。
例を挙げますね。
○友達(税理士ではない)に手伝ってもらって、所得税の申告書を提出した。
○税務署の職員が、調査に来て。あなたがうっかり、
○「この申告書は、友達に手伝ってもらって書いたんです」とばらしてしまう。
その申告書が、調査の結果、適法かどうかは関係ない。
そのような助言は、無資格者による税務相談として、違法とされます。

心情的には、
○正しい申告書を書いてあげたのなら、問題ないじゃん。
と思います。でも、法律でそうなっているのです。
実際、無免許者の逮捕も、たまに新聞報道があります。

なんでこんな決まりになっているのか、を調べてみました。
すると、1940年代の戦後のゴタゴタの時期までさかのぼります
当時はまだ、江戸時代みたいな社会常識がまかり通っていました。
○戦費調達のための、無理な課税。
○課負担を同業者同士で押し付けあったり、税逃れをかばいあった
などなど。

さらに調べてみると、
戦前には、税務調査に介入して、私腹を肥やす人がいたらしい。
そんな中世みたいな空気を一掃して、
民主的な、法に基づいた課税のために作られたのが、税理士制度なんです。

税理士業務の無償独占は、戦後のゴタゴタの時期にできた強権的な決まりです。
それが納税意識の浸透した、この令和の世にも、まだ生きています
悪質な違反と認められれば、モンモノの税理士も逮捕されてしまう、怖いですね。
でも、どんなに怖い決まりでも、正しく恐れることが大切。
正しく恐れる、そのためにはお勉強しなきゃいけないよ。ということ。

先の研修会では、「名義貸し」で税理士が逮捕された話が出てきました。
どういうことをしたら違法なのか、の説明が主な内容。
名義貸し行為にも、いろんなパターンがあります。
そのため、何がアウトで何はセーフなのか、簡単には言えません。
ですから、
○こういうことをして、逮捕された人がいます。
という話を聞くのは、大切。そのような話を知っていれば、
○こういうことに気を付ければ、大丈夫。
とわかりますから。お勉強して、安心・安全にお仕事しよう、と思った次第です。

正月九日の税理士会の研修会、その一発目のテーマは税理士法。
今年も、たくさんお勉強しよう、そう思ったひと時でした。

このコラムは協議会メンバーが執筆しています。
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