他社と提携するときの賢い契約書の使い方
契約書は「転ばぬ先の杖」として用いられることが多いですが、他社と提携するときにこそ威力を発揮するということを知って頂ければと思います。
1.事業活動は「契約」の連続
- 商品を販売する→売買契約
- お客様からの注文に応じて商品の製造を引き受ける→請負契約
- 金融機関から融資を受ける→金銭消費貸借契約
これらの「契約」は、起業家の方々にとってはおなじみのものではないでしょうか。
事業活動は「契約」と切っても切り離せない関係にあることがお分かりかと思います。
2.「競業」「コラボレーション(コラボ)」「ビジネスマッチング」も契約
近ごろは、スピーディーに事業を立ちあげたり、展開したりするために、他社と手を組んだり、提携したりする活動が活発になってきています。
「競業」「コラボレーション(コラボ)」「ビジネスマッチング」といった言葉をよく口にしたり耳にしたりしませんか?
実は、これらの活動自体、実は「契約」そのものなのです。
例えば、
- 提携する相手として相応しいかお互いに情報開示をして検討する→秘密保持契約
- 経営に関するアドバイスを受けたい→コンサルティング契約
- 販路を拡大したい→代理店・販売店契約
- 営業活動を誰かにやってもらいたい→業務委託契約
- コラボして新商品を開発したい→共同開発契約
…その多くが法律的な切り口で見れば「契約」であることがお分かりいただけたでしょうか。
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3.契約書がない提携は残念な結果に終わってしまうことも…
手を組む段階では「志」「想い」を一つにして意気投合。
提携のはじめの頃は上手くいっていたものの、お金や権利関係などのお互いの利害が絡む段階になってくると、コミュニケーションが上手くとれなくなってきて、最悪、頓挫してしまうケースも多いという実態があります。
こうした案件では、「事前に契約書を作って、利害関係の調整をきちんとしておけばこんなことにならなかったかもしれないのに…」と口惜しく思うこともあります。
4.他社との提携こそ契約書が重要!
ご縁があっての提携。
せっかくなら成功させたいですよね?
そのためにも、勢いだけで見切り発車するのではなく、お互いにその正体は「契約」であることを認識し、
- 相手に何をしてもらえるのか(権利)
- 相手に何をしなければならないのか(義務)
を契約書で明確にしておくことが重要です。
5.さらに一歩進めて
手を組む段階で、「志」「想い」までを含め、中長期的な将来像・ビジョンを含めた形で契約書を作成できれば、少なくとも、コミュニケーションミスやボタンの掛け違いは最小限になるでしょうし、提携が成功し、「大化け」する確率も上がるのでは?
と思います。
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6.さいごに
契約書は「トラブルを避ける」「いざと言う時の裁判上の証拠となる」という文脈の中で使われることが多いですが、「他社と手を組みたい」「上手くつながりたい」こういった時にこそ、本来の意味での大きな威力を発揮するものと私は考えています。
起業家の皆さまの事業の発展のためにも、ぜひ契約書を上手に使いこなしていただきたいと願っています。