起業時に顧問弁護士は必要?起業家にとって重要なこと
結論から申し上げます。
起業時に、顧問弁護士は「必要なし」です。
ただし、弁護士が不要というわけではありません。相談できる弁護士は「必要」です。
顧問契約の優先順位としては、まずは確定申告や会計処理を行う「税理士」が必要です。
続いて、従業員を雇用したら社会保険手続や給与計算を行う「社会保険労務士」が必要です。
いずれも、毎月継続的に発生する業務であるためです。また、起業家は多忙ですので、外注できる業務は外注して本業に専念できるというメリットもあります。
これに対し、弁護士の業務は、毎月発生するとは限りません。
毎月裁判が発生する可能性は、非常に低いです。
トラブルを避けるために弁護士のアドバイスが必要なときはありますが、税理士や社会保険労務士の業務と比べると、毎月必ずある程度の時間が必要な業務とはいえません。
そのため、毎月顧問料が発生する顧問弁護士は、起業直後は必要ないと考えます。
もっとも、弁護士が不要というわけではありません。
売掛金の焦げ付き、契約書のチェック、従業員との労働問題など、経営をする限り法律問題は避けて通れません。
早い時期に弁護士に相談すれば傷が浅いため対処しやすいのですが、弁護士に相談するタイミングが遅れて取り返しのつかない事態になってしまうことは、残念ですが非常に多いです。
そのため、何かあったときに気軽に相談できる弁護士は必要です。
相談料は発生するでしょうが、顧問料に比べれば低額です。
「必要なときに相談料を払って弁護士に相談する」というのが、コストパフォーマンスが良いです。
(参考 弁護士の顧問料と相談料の旧日本弁護士連合会報酬等基準)
顧問料 毎月5万円~(税別)
相談料 30分ごとに5000円~(税別)
※上記基準は現在は撤廃されており弁護士費用は自由化されていますが、弁護士費用の相場の目安とされることが多いです。
インターネット検索により、昔に比べると弁護士に相談しやすくなっています。
それでも弁護士の敷居はまだまだ高いようで、弁護士に相談しにくいと感じる方は少なくありません。
知り合いに弁護士がいればよいのですが、起業直後は弁護士の知り合いはいないかもしれません。
このコラムでお伝えしたいのは、実は弁護士の重要性ではなく
「人脈も実力のうち」
ということです。
起業家にとって人脈は非常に重要です。
起業家の勉強会や懇親会に参加して様々な起業家と知り合うと、困ったときにその筋の専門家に気軽に相談しやすくなります。
私自身も、多くの起業家にアドバイスをいただいています。
さいたま起業家協議会は、毎月例会を行っております。
もしお時間が合えば、お気軽にご参加ください。
起業家の皆様のお役にたてれば幸いです。